おながわクリニック|おながわ小児科アレルギー科クリニック

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Web勉強会
アレルギー疾患編 | 食物アレルギー
  • 食物アレルギーとは?

    食物アレルギーとは、特定の食品に含まれているアレルゲンが体内に入った時、免疫機能に過剰な反応が起こり、蕁麻疹、嘔吐、下痢、咳、呼吸困難などの様々な症状が起きる現象のことです。

    この症状の起き方は、大きく分けてIgE抗体を介した「IgE依存型」と、IgE抗体を介さない「IgE非依存型」の2種類があります。

    また、直ぐに症状がでる「即時型反応」と、半日程度経過してからゆっくり症状がでる「遅滞型・遅発型反応」に分かれます。

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  • 食物アレルギーの分類について

    大きく分けると4つ、特殊型はさらに2つに分かれます。

    (1)新生児、乳児消化管アレルギー

    (2)食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎

    (3)即時型反応

    (4)特殊型

       ①食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

       ②口腔アレルギー症候群

    上記で(1)(2)は「遅延型、遅滞型反応」、(3)(4)は「即時型反応」となります。

    また、(1)は「IgE非依存型」、(3)(4)は「IgE依存型」、(2)は両者ともにあります。

    なお、治癒しやすい(耐性ができやすい)のは(1)と(2)、(3)の乳幼児期に発症した鶏卵、牛乳、小麦アレルギーです。

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  • 食物アレルギーの即時型症状について

    食物アレルギーで一番多いのは即時型反応ですが、症状も多彩です。

    【皮 膚  症 状】

     蕁麻疹、痒み、皮膚の発赤、むくみ、湿疹(90%以上)

    【呼吸器症状】

     喉の違和感、声がれ、咳、喘鳴(ゼイゼイ)、

     呼吸困難(35%位)

    【粘 膜  症 状】

     鼻水、鼻閉、目の充血、瞼の腫れ、

     口唇や舌や喉の痒みや腫れ(30%位)

    【消化器症状】

     嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、血便(20%位)

    【全 身  症 状】

     元気がない、ぐったりする、意識障害、

     血圧低下、頻脈(10%位)

    ◎急性のアレルギー全身症状を「アナフィラキシー」と言います。

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  • 食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎について

    乳児期に多く見られ、主としてIgE抗体が関与す食物アレルギーです。

    アトピー性皮膚炎の症状が見られ、適切な外用薬を使用しても改善されない、悪化する時に疑います。

    このアレルギーの特徴は、食べた直後ではなく、時間が経ってから症状が出ることです。

    鶏卵、牛乳、小麦などのアレルゲンが原因の場合がほとんどですが、これらのアレルゲン除去により、皮膚症状が改善されるかどうかで診断します。

     

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  • 新生児、乳児消化管アレルギーについて

    新生児期から出現する食物アレルギーでIgEは関与しないタイプです。

    嘔吐や下痢、血便などの症状があり、成長障害がみられる場合もあります。

    多くの原因は、牛乳や乳製品ですが、母乳や米や大豆や卵であることもあります。

    診断は、症状から病気を疑いアレルゲンの除去により症状が改善するかで行います。

    確定診断は、除去後実際に摂取する「負荷試験」しかないのですが、危険を伴いますので、慎重に行わなければなりません。

    このタイプは、重症度にもよりますが、1歳になると半数以上、2歳になると9割ほどが治ると言われています。

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  • 食物依存型運動誘発性アナフィラキシーについて

    ほとんどの場合が、学童期以降に発症するIgE抗体を介した反応です。

    運動によるアナフィラキシーが、食物を食べた時に限って起きるもので、多くは食後2時間以内に起こります。

    また、日本ではエビやカニなどの甲殻類や小麦によるものがほとんどですが、一部果物などでも起こります。

    また、発症に関与する因子として、薬物や疲れ、ホルモンなどの全身状態、気象条件、入浴や飲酒など様々な関与が推定されています。

    症状出現時の対応とともに、学童では給食と体育、部活の問題がありますので、患者さんに合った生活指導が必要です。

    ※余談ですが、、、30年前にこの病気の小児例を日本で初めて報告しました。

    医学博士のための論文もこの病気をまとめたものでした。

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  • 口腔アレルギー症候群について

    口腔アレルギー症候群とは、果物や野菜を食べたとき、口から喉に刺激感、かゆみ、ヒリヒリしたりする病気で、ほとんどが学童以降に発症します。

    このアレルギーは、特定の植物の花粉症と関連があると見られており、花粉やラテックスという天然ゴムに感作(アレルギー反応を)を受けると、その花粉や天然ゴムと抗原構造(アレルゲン)の似ている果物や野菜を食べた時、口腔周辺のアレルギー症状が出現したり、酷い時は呼吸困難や蕁麻疹が起きることもあります。

    対策としては、食べないようにするしかないのですが、ジャムなどの加工品や加熱すると食べられることもあります。

    ◎アレルゲンが似ているとされる花粉と食物は・・・

    【ス ギ・ヒ ノ キ】トマト

    【シラカバ・ハンノキ】リンゴ、桃、サクランボ、イチゴ、大豆、キウイなど

    【イネ科(カモガヤなど)】メロン、スイカ、トマト、キウイ、オレンジなど

    【キク科(ブタクサなど)】メロン、スイカ、バナナ、セロリ、ニンジンなど

    【ラテックス】アボカド、栗、バナナ、キウイなど

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  • 食物アレルギーの検査について

    食物アレルギーの検査は、その他のアレルギー疾患と同様に「血中IgE抗体検査」「プリックテスト」を用います。

    ※検査に関してはアレルギーの基礎編を参照してください。

    食物アレルギーでは、検査結果と食物摂取による症状の因果関係が合致した時に陽性抗原と診断します。

    ここでは、食物アレルギーの検査で特徴的なことを書きます。

    「血中IgE抗体検査」では、血液検査の結果と反応誘発予測(プロバビリティカーブ)があります。

    これは、卵白、牛乳、小麦、ω5‐グリアジン(小麦のコンポーネント)の検査値と年齢(1歳未満、1歳、2歳以上)の症状誘発の可能性をグラフにしたものですが、検査結果の読解の参考になります。

    また、検査の手助けになるものに食物のコンポーネントがあります。「卵白とオボムコイド」「小麦とω5‐グレアジン」「ピーナッツとArah2」はよく使います。その他・牛乳、クルミ、豆乳、ラテックスなどもあります。

    基礎編の繰り返しになりますが、十分に血中に検出されない乳児や血液検査の項目にない果物などが疑われる場合に、抗原を針で傷を付けた皮膚に滴下し皮膚反応を診ていく「プリックテスト」や、抗原を直接皮膚に付け皮膚の反応を診ていく「Prick-to-prick test」も有用です。

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  • 食物アレルギーの除去負荷試験について

    乳児期のアトピー性皮膚炎では、食物の関与の診断が難しいことがあります。

    食物除去負荷試験は、皮膚症状が適切な外用薬でコントロールできないときに疑わしい食物(授乳中は母親の食事も含まて)を1~2週間程度完全に除去を行い、皮膚症状の改善を診ます。改善した後、再びその食物を摂取してみて症状が悪化した時に誘因抗原と診断する方法です。

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  • 食物経口負荷試験について

    食物アレルギーの治療の基本は「正しい診断にに基づいた必要最小限の除去」です。

    食物経口負荷試験は、アレルギーを疑われる食物を実際に食べて、その後の症状を観察する試験です。

    この検査の目的は3つあります。

    (1)疑われる食物が症状を誘発するかどうかを確認し、食物アレルギーを診断する

    (2)食物の負荷量により、重症度を確認する

    (3)食物アレルギーが治った(耐性獲得した)かを確認する

    この試験で重要なことは、検査と詳細な問診で食物アレルギーを疑い、その食物に対して負荷量を決めることです。

    試験の結果をもとに、決められた量を自宅で食べてもらい、最終的に食事に対しての日常の負荷量を決めます。

    ◎当院でも実施しております

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  • 食物アレルギーの診断について

    食物アレルギーの診断には

    ①食物の摂取により症状が誘発され繰り返し起こること。

    ②その反応が検査により免疫機序を介するものと判定されること。2つの条件を満たすものとされています。

    ②の検査ですべての陽性を判定することは難しいので診断に大切なのは詳細な問診です。

    実際は、今までの病歴(①食物によると考えられる症状の詳細②症状を起こしたときの食事内容の詳細な分析➂症状が誘発されるまでの時間➃症状の持続時間と治療内容➄症状の出現前後の状況・体調など➅再現性はどうか⑦過去の検査結果⑧アレルギーの家族歴・既往歴)を詳細に分析します。

    それでも不正確な時は、食物日誌をつけて分析することもあります。

    また、症状出現時の写真やビデオなどは有力な情報になります。

    最終的には食物除去負荷試験食物経口負荷試験で診断します。

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  • 食物アレルギーの原因について

    わが国における即時型食物アレルギーの原因食物は、卵、牛乳、小麦が3大アレルゲンであり合計70%を占めます。

    この3つは乳児期に発症することが多いのですが、耐性ができやすく学童までに自然寛解すると言われてきました。

    ただ、最近小麦に関しては成人での新規発症が増えてきました。

    年齢が進むと、主食ではないけれど抗原性が強い魚卵、ピーナッツ、果物、そば、ナッツ類などの新規発症が増えてきます。また、最近の、花粉症と関連した果物アレルギーの新規発症も増えてきました。

    卵、牛乳、乳児期発症の小麦以外は、耐性ができにくく自然寛解が望めないのが特徴です。

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  • 食物アレルギーの治療について(急性期)

    食物アレルギーを疑わせる症状がでたらあわてずに適切な行動をとることが必要です。

    口の中に食べ物が残っている場合は、口から出させ口をすすがせます。

    しかし、飲み込んだものを吐かせると誤嚥の危険があるのでやめて下さい。

    まず、出現している症状に下記の対症療法を行います。

    基本的には、蕁麻疹などの皮膚症状を示すのがほとんどですので抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の内服と抗ヒスタミン薬の外用薬の塗布を行います。また、咳や喘鳴など喘息のような症状がみられる場合は気管支拡張薬の内服や吸入を行います。食物アレルギーの遅発型のアレルギー反応の予防のためにステロイド薬の内服を加えることもあります。これらが標準的な治療です。

    その他の症状に対しては追加治療を加えます。全身症状(アナフィラキシー)まで移行した場合は後述の治療を行います。食物アレルギーは、どんなに注意しても誤食の可能性があります。食物アレルギーと診断された場合は常に症状が出現する事を想定して準備をしておくことが重要です。特にアナフィラキシーの既往がある場合は、保育園、幼稚園、学校などと症状出現時の対応の仕方を協議する必要があります。

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  • アナフィラキシーについて

    食物アレルギーで問題なのは、突然全身にアレルギー反応が起こり急激に悪化してしまう「アナフィラキシー」という危険な状態です。さらに悪化してしまうと血圧が低下し血液循環が悪くなって全身に酸素が行き届かなくなり様々な臓器の機能不全に陥ります。この状態までくると「アナフィラキシーショック」と言います。

    アナフィラキシーになった時は、体を横にして呼吸をしやすい状態にし足をあげるようにして下さい。

    意識障害がみられた場合は、窒息の危険がありますので下あごを持ち上げ同時に頭を少し反らせるようにして下さい。

    できるだけ周囲に助けを求めて、人を集め本人のそばから離れないようにして下さい。

    内服薬以外にエピペン(後述します。)があれば打って下さい。

    日本小児アレルギー学会では、以下の症状が1つでもあればエピペンを使用すべきであるとしています。

    【消化器症状】

     繰り返し吐き続ける

     持続する強いお腹の痛み

    【呼吸器症状】

     喉や胸が締め付けられる

     声がかすれる

     犬の吠えるような咳

     持続する強い咳込み

     ゼーゼーする呼吸

     息がしにくい

    【全身の症状】

     唇や爪が青白い

     脈が触れにくい・不規則

     意識が朦朧としている

     ぐったりしている

     尿や便を漏らす

     

     

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  • アナフィラキシーの治療について

    アナフィラキシーでは、状態に応じてクリニックや病院で治療します。救急車での来院が望ましいです。

    治療に関しては食物アレルギーのアナフィラキシーの臨床的重症度により状態を把握した上で行いますが、急変することもありますので、早期に入院を勧める場合もあります。

    【Grade1,2】

      通常の蕁麻疹の治療に呼吸器症状がみられた場合は、

      気管支拡張薬の内服や吸入治療を行う。

      SPO2(血液中の酸素濃度)の値で酸素投与を考慮する。

    【Grade3,4】

      ボスミンの皮下注を行う。(15分毎に反復可)

      急速輸液を行う。

      ステロイドの静脈注射を行う。

      十分な酸素吸入を行う。

    【Grade5】

      入院加療を勧める。

      必要ならば気管内挿管、機械的人口換気を行う。

      血圧低下に対して昇圧剤を使用する。

      必要ならば心臓マッサージや除細動を行う。

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  • エピペンについて

    エピペンは、食物アレルギーに限らず蜂毒などアナフィラキシーの既往のある人やその恐れが高い人を対象にアナフィラキシー発症時に病院外でアドレナリンの自己注射をするための薬剤です。

    体重により容量(30㎏未満=0.15㎎/30㎏以上=0.3㎎)が異なります。

    成分であるアドレナリンは、血圧上昇、血管収縮、気管支拡張などの作用があり効果的ですが、持続時間が20分程度と短いため使用後は必ず病院を受診して下さい。

    エピペンを打つ基準は前述しましたが、主治医と十分に相談しておく必要があります。

    エピペンは「打つかどうか迷ったら打つべきである」とされています。

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  • 食物除去の治療について

    食物アレルギーの治療は、基本的には「原因食物の除去」です。

    最近、アレルギー専門の医療機関で経口免疫療法が行われてきていますが、まだ一般的ではありません。

    重要なのは除去の方法です。以前は「一定期間(2歳ぐらいまで)の完全除去が耐性獲得のためには必要である」と言われてれていましたので一律で考えていました。

    しかし、現在は「アレルゲンとなる食物の必要最低限の除去が耐性獲得の早道である」と考えられているため、除去の程度や範囲、除去する期間を患者さんに合わせて決めることとなります。

    除去方法を決めるために様々な因子を考える必要があります。

    また、その後定期的(半年から1年)に血液検査を繰り返し、数値の変化を参考に食物経口負荷試験を行い、その結果で除去を解除を検討していきます。

    この時必要なのは、アトピー性皮膚炎を含め皮膚の状態をコントロールすることや、皮膚状態・全身状態に応じて臨機に除去の内容を変えることだと思います。実際、皮膚の状態の悪くなる冬の時期だけ除去の程度を強める方もいます。

    そして、長い年月の中で誤食もあることを前提に、その対応策も準備して下さい。それがきっかけとなり除去の解除を見直せる場合もあります。些細なことであっても、全ての情報が除去や解除を進めるときにプラスになります。

    除去の継続は本人も保護者も大変だと思いますが、ゆったりした気持ちで続けて下さい。

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  • 食物除去と栄養管理について

    食物除去の考えが必要最小限の除去になってきました。

    主治医と相談しながら食べられる範囲を考え、できるだけ豊かな食生活を送って欲しいです。

    乳幼児期は、成長が著しい時期ですので発育に必要なカロリーと栄養不足にならないように注意して除去を進めることが必要です。

    健康診断や定期受診で常に発育をチェックしたり、可能ならば栄養士による栄養指導が受けれれば更に安心です。

    牛乳がだめな場合は、豆乳やアレルギー用ミルクを料理に利用することで、カルシウム不足を補充できます。

    卵がだめな場合は、肉、魚、牛乳などでタンパク質を補充できます。

    最近、アレルゲン除去食品も増え、市販品も種類が増えてきました。

    お子さんの好みに合わせてレパートリーを増やすために利用して下さい。

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  • 鶏卵アレルギーについて

    「鶏卵」は、食物アレルギーの原因食物として最多で、全年齢の4割を占めています。

    年齢別では、0歳児の約60%の原因食物です。加齢とともに耐性ができ3歳までに30%6歳までに70%が耐性を獲得すると言われています。

    鶏卵の主要なアレルゲンは卵白にあり、卵黄の抗原性は少なく固ゆでの卵黄は食べることができる場合が多いです。

    検査可能なアレルゲンコンポーネントは、オボアルブミンとオボムコイドです。

    オボアルブミンは、加熱により抗原性を失いますが、オボムコイドは加熱しても抗原性が保たれます。その為、卵白特異的IgE抗体が陽性でも、オボムコイド特異的IgE抗体が低値の場合は加熱した鶏卵を食べることができる可能性があります。

    また、このオボムコイド特異的IgE抗体は卵白特異的IgE抗体より診断価値が高いという報告もあります。

    以前は、鶏卵アレルギーがある場合は、鶏肉や魚卵を控えたこともありましたが、タンパク質の組成が異なるため一律の除去は不要です。ウズラなどのほかの家禽類の卵白は、鶏卵との抗原交差性が報告されています。ただ、うずらの卵はほとんどが卵黄で給食で使われている水煮のうずら卵のオボムコイドやオボアルブミンはほとんど検出されないため大部分の鶏卵アレルギーのお子様も食べることができる場合が多いです。

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  • 牛乳アレルギーについて

    牛乳は、乳幼児の即時型食物アレルギーの原因食物として鶏卵に次いで2番目に多く、食物によるアナフィラキシーの原因として最多です。即時型牛乳アレルギーは、6歳までに70%が耐性が獲得されるとされています。

    牛乳の除去は、低身長やカルシウムや微量元素の欠乏の報告もあり注意が必要です。

    牛乳のたんぱく質は、主にカゼインと乳清たんぱくで占められ、乳清たんぱくはβ-ラクトグロブリンとα-ラクトアルブミンと血清アルブミンで占められます。この中で、カゼインとβ-ラクトグロブリンは、加熱により抗原性を失わないため牛乳は加熱や発酵させてもアレルギーを起こします。血清アルブミンは、牛肉にも含まれているため牛乳アレルギーが強い場合は牛肉にも反応することがあります。

    ただ、加熱により抗原性が低下しますので加熱すれば食べることが可能になります。

    牛乳アレルギーがある場合は乳製品にも注意が必要です。乳製品の乳たんぱくの濃度は牛乳やヨーグルトより脱脂粉乳やチーズの方が高いので注意が必要です。

    前述しましたように、牛乳を除去する場合は、カルシウムや微量元素の欠乏に注意が必要です。代替食品の加水分解乳(ニューMA-1など)はカルシウムや微量元素の不足を補うことができますが、値段が高くおいしくないのが難点です。

    カルシウムを強化した豆乳もありますが、大豆アレルギーの注意が必要です。

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  • 小麦アレルギーについて

    小麦は、即時型食物アレルギーの原因食物の第3位で1割を占めます。

    近年増加しているのは、食生活の欧米化により母乳を介した経母乳感作や環境中のアレルゲン増加による経皮感作が原因であると推定されています。

    小麦アレルギーは・・・

    ①乳幼児の即時型症状

    ②食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

    ③パンや菓子職人にみられる小麦による喘息

    ④加水分解小麦を含んだ石けんの使用で経皮感作した後に発症など

    この中で、乳幼児の小麦アレルギーは除去をすれば就学前には90%が耐性ができるとされていますが、それ以外は、耐性ができないことが多く除去が原則になります。

    小麦の主なアレルゲンはグルテンです。このグルテンに含まれるグリアジン(特にω5-グリアジン)が主要なアレルゲンで、この抗体価が高いと小麦アレルギーやアナフィラキシーの症状誘発率が高いと言われています。これは、小麦による食物依存性運動誘発性アナフィラキシーでも同様ですが、興味深いことに加水分解小麦を含んだ石けんで発症した小麦アレルギーの患者さんでは、ω5-グリアジンよりもグルテン特異的IgE抗体の方が高値を示すほうが多いとの報告があります。

    小麦のアレルゲンは高温加熱しても抗原性は低下しませんが、調味料などの発酵食品は、たんぱく質が分解されているため摂取可能なことが多いです。ただし、小麦アレルギーにおける大麦やライ麦の交差反応が20%位みられるので注意が必要です。小麦アレルギーは、経皮感作の可能性があるので、アトピー性皮膚炎のお子さんでは、小麦粘土や調理実習における皮膚感作にも注意が必要です。

     

     

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  • 大豆アレルギーについて

    以前、大豆は、鶏卵・牛乳と共に3大食物アレルゲンと言われていました。

    現在では即時型食物アレルギーの約1.5%を占める第11番目へ後退しました。

    大豆に関しては、検査で陽性でも摂取可能なことも多く見られますし、アナフィラキシーを起こすことも少ないため検査と因果関係を検討し除去を進めます。

    また、除去を行っても早期に耐性ができる場合がほとんどです。大豆は、加熱しても抗原性の変化はみられませんが、発酵させることで抗原性は低下しますので醤油や味噌などの調味料や納豆などは食べられることが多いです。

    大豆はその他のマメ科植物との共通抗原性があると言われていますが、ほとんど問題が無いようです。

    最近、シラカンバ花粉症のある人が、豆乳を飲むと口腔アレルギー症状を起こすと言う報告があります。これは共通抗原のGlym4によるものと言われており検査も可能です。小児の報告例もあり注意が必要です。

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  • ピーナッツアレルギーについて

    ピーナッツは、ナッツ類と思われがちですが、大豆と同じマメ科の植物です。

    ただ、アレルギーの合併は近縁の大豆はほとんど無く、むしろ別の種類のナッツ類とは高率にアレルギーを合併します。

    欧米では、離乳期のピーナッツバターの摂取が多いことから頻度が高いのですが、日本では即時型食物アレルギーの3%前後で8位のランクです。

    発症は、乳幼児期は妊娠中や授乳中の母親の摂取、欧米では本人のピーナッツバターの摂取、ピーナッツ含有スキンケア製品の経皮感作、ピーナッツの加工品の粉末のダニ・家塵の混入物の経気道感作が原因とされています。

    最近、シラカンバ花粉の共通抗原による口腔アレルギーの発症が増加しています。

    いずれにしてもピーナッツは即時型の反応でもアナフィラキシーを起こしやすいので注意が必要です。

    特性としてロースト(焙ったり蒸し焼き等)すると抗原性が3倍以上に高まる傾向があり、調理されたピーナッツバター、菓子類、料理には注意が必要です。また、実だけでなく殻にも抗原性があります。

    診断では、ピーナツの蛋白質のうちAreh1~3が主なアレルゲンで、これらのIgE抗体が高いとアナフィラキシーを起こしやすいと言われています。最近、Arah2に対するIgE抗体が検査できるようになりアナフィラキシーの発症予測に役立っています。ピーナッツは耐性ができにくいと言われていますが、乳幼児発症の軽症例の一部は耐性を獲得することがあります。ただ、初発症状が軽症でも50%が重症化するとされています。

     

     

     

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  • ナッツ類のアレルギーについて

    ナッツ類は、ピーナッツとともにチョコレート、ケーキ、ビスケットなどの菓子類、シリアル、ポテトチップス、カレーなどのルウ、マーガリン、ドレッシング、香料などたくさんの食品に含有されています。

    ナッツ類のアレルギーは、最近増加しており即時型食物アレルギーの10位から8位にランクし、クルミ→カシューナッツ→アーモンドの順に多く見られています。

    ナッツ類は、耐性ができにくくアナフィラキシーの頻度が多く注意が必要です。

    また、即時型反応以外にピーナッツ以上にシラカンバ花粉との共通抗原性があります。

    検査では、クルミ、カシューナッツ、ハシバミ、カカオ、ブラジルナッツ、アーモンド、ココナッツのIgE抗体とクルミとカシューナッツのコンポーネントが測定できます。

    ピーナッツとの交差反応は35%、ナッツ類の間では50%の交差反応があると言われていますので、検査を定期的にすると共に必要に応じ食物負荷試験で確認します。

     

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  • そばのアレルギーについて

    そばは、他の穀物のイネ科と違いタデ科に属しています。日本、韓国、中国などが主として食習慣がありますが、最近は欧米でも健康食品として利用されアレルゲンとして注目されてきています。

    そばは、6番目(約5%)の原因食物ですが、学童での頻度調査では0.22%と患者全体に占める割合は少ない傾向です。誘発症状でアナフィラキシーショックの割合が高いため学校給食では利用を避けています。

    一般的には、耐性を獲得することは少なく、加熱処理によっても抗原性は維持されます。そばの感作経路は、経口だけでなく経皮、経気道からの感作でも発症します。そば屋やそば粉を扱う業者、そば殻枕の使用の有無など環境抗原の調整が必要です。

    そば特異的IgE抗体が陽性でも誘発症状なく摂取できる場合が多いとされていますが、蕁麻疹などの皮膚症状以外に呼吸器症状や重篤な誘発症状が多く食物負荷試験の実施には注意が必要です。

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  • 甲殻類のアレルギーについて

    えびやカニなどの甲殻類のアレルギーは、成人の食物アレルギーの原因としては、小麦についで第2位を占め食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの症状を示すこともあります。

    小児期では特に学童以降に多く見られますがアナフィラキシーを起こしやすく注意が必要です。

    エビとカニのアレルギーは合併することが多く、主要な共通抗原としはトロポミオシンと言われています。

    たこやいかなどの軟体動物も共通抗原もあり、貝類も分類上甲殻類に近くアレルギーを合併する可能性があります。

    最近、エビアレルギーのタンパク質にその他のアレルゲンコンポーネントの可能性が指摘されています。実際のところ従来のIgE抗体で陰性を示すエビアレルギーの存在も多く見られます。

    また、甲殻類は、耐性ができにくいと言われていますが、小児期発症のエビに関しては耐性を獲得する可能性を指摘されています。個々の症例で食物負荷試験で確認する必要があります。

    トロポミオシンは、加熱や酵素処理の影響を受けにくく水溶性で煮汁に簡単に溶け出す性質があります。除去食に関しては注意が必要です。

     

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  • 魚類のアレルギーについて

    魚のアレルギーは原因食物の5%と決して多くはありませんが、耐性ができにくく発症すると成人まで持ち越すことがほとんどです。

    魚肉は、アレルギーを抑制すると言われているリノレン酸やビタミンDを多く含んでおり可能な限り摂取したい栄養素です。魚のアレルギーは、パルブアルブミンとコラーゲンの2種類が原因のたんぱくと言われており多くの魚に共通して含まれているため一人の患者さんが複数の魚にアレルギーを示すことが多くみられます。

    ただ、魚を食べた後にアレルギー症状がみられた場合は、魚そのものによるアレルギー以外にアニサキスによるアレルギーとヒスタミンによる中毒の可能性も頭に入れる必要があります。

    アニサキスアレルギーは、アジ、サバ、サンマ、ハマチ、イカなどの魚に寄生しているアニサキスが蕁麻疹などの症状を起こすものです。アニサキスによるIgE抗体陽性で診断します。

    サバ、サンマ、カツオなどの赤身の魚は、時間が経つとヒスタミンと言う物質に変化するヒスチジンが多く含まれていて鮮度が落ちたり干物の場合に蕁麻疹や、その他のアレルギー症状を起こすことがあります。

    この二つを考慮に入れながらIgE抗体と皮膚テストを実施して診断しますが、不確定の時は食物経口負荷試験で診断します。魚アレルギーは原則的には除去を行いますが、魚の出汁や缶詰の状態ならば摂取可能なこともあります。

    魚は耐性ができにくいと言われていますが、乳幼児の発症例では比較的早期に寛解した例の報告もあります。

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  • 魚卵のアレルギーについて

    我が国の魚卵の消費量は多く、イクラ(サケの卵)タラコ(スケトウダラの卵)数の子(ニシンの卵)などを摂取する機会が多いです。魚卵のアレルギーは、即時型アレルギーの原因食物の第6位ですが、2,3歳の新規発症としては第1位になっています。

    特に生イクラによるアナフィラキシーが増加していますので注意が必要です。

    イクラの主要抗原はβ’-コンポーネントであると報告されており他の魚卵との交差性も証明されていますが、合併することは稀です。また、魚、甲殻類アレルギーの40%にイクラIgE抗体が陽性になる言われていますが、鶏卵と魚卵には交差反応はありません。

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  • 果物・野菜類のアレルギーについて

    即時型食物アレルギーの原因食物として果物は5番目に多く全体の4%野菜類は1.1%で、更に4~6歳で果物が1位(17%)、7~19歳では甲殻類について2位(13%)で、キウイ→バナナ→モモ→リンゴの順に多く見られます。

    果物アレルギーは、花粉症とは関係無く皮膚・呼吸器・消化器症状など全身症状に及びほとんどが乳幼児期に発症するものと、花粉症やラテックスとの交差反応により成人期以降に発症し口唇が腫れたり、口の中がイガイガしたり口内や喉頭の粘膜が腫れるなどの口腔アレルギーに大別されます。

    この口腔アレルギーを呈する場合は加熱によりアレルゲン性が低下しますが、前者は、熱や消化酵素に強いアレルゲン性で、ジャムや加工食品でも症状が起きます。

    アナフィラキシーを起こしやすい果物としてバナナとキウイが代表です。

    診断に関しては、生の食物を用いたPrick-to-prickが有用です。

    最近、花粉症の低年齢化と増加により口腔アレルギー症候群も増加しています。誘発症状の予測にアレルゲンコンポーネント利用した診断方法が解明されており一般診療における利用が期待されています。

     

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  • ゴマアレルギーについて

    ゴマは、近年健康志向から食品で利用が増加しており、欧米でもゴマアレルギーが警告されています。

    日本では即時型食物アレルギーの0.4%で第17位とされていますが、最近、乳幼児のアトピー性皮膚炎のゴマIgE抗体の陽性者は増加しています。これは、母親が健康食品として大量摂取することやゴマオイルのマッサージによる経皮感作によるものと推定されています。

    ゴマは、ビシリンというタンパク質が主要アレルゲンとされており熱に耐性で、特に多量に一度に摂取するすりゴマ、ゴマペーストには注意が必要です。それに対してごま油はタンパク質が少ないので摂取可能なことがほとんどで、黒ゴマや白ゴマよりたんぱく質の含有量が少ないと言われています。

    ゴマは、ピーナッツなどと同様に耐性ができにくくアナフィラキシーを起こしやすいアレルゲンです。

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予防接種外来開始しました!

令和2年5月より開始

完全予約制で実施いたします

詳細はホームページ・院内掲示にてご案内予定です

午前一般診療受付8:30~11:50
診療8:40~12:00
健診予防接種外来 受  付13:50~14:20
専用外来14:00~14:50
午後一般診療 受付15:00~17:30
診療15:00~18:00
予防接種外来時間外も予防接種は実施可能です
おながわ小児科アレルギー科クリニック
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